1. はじめに：肩こり、腕のだるさ…それ、頚肩腕症候群かもしれません
「肩こりがひどくて、腕までだるい…」「最近、パソコン作業のあとに手がしびれる気がする」「整形外科ではレントゲン異常なし、でもこのつらさはなんなの？」
——そんなお悩み、あなたも感じていませんか？
福岡市西区でも、40〜50代の女性を中心に、**頚肩腕症候群（けいけんわんしょうこうぐん）でお困りの方が増えています。この疾患は、首・肩・腕・手にかけての痛み・しびれ・だるさ・違和感が複合的に現れるもので、ひとつの病気というよりも症状の集合体（症候群）**として扱われます。
この記事では、頚肩腕症候群の原因や病態、一般的な治療とその限界、そして当院「おるきの整体」での独自アプローチについて、専門的かつわかりやすく解説します。
2. 頚肩腕症候群の原因と病態（西洋医学的な視点）
頚肩腕症候群とは何か？
頚肩腕症候群とは、首から肩、腕、手先にかけての痛み・しびれ・重だるさなどの症状を引き起こす状態の総称です。
原因となる疾患は複数あり、代表的なものには以下のようなものがあります：
- 頸椎椎間板ヘルニア
- 頸椎症（変性による神経根刺激）
- 胸郭出口症候群
- 肩こり（筋緊張性）
- ストレートネック・猫背姿勢による負担
- 自律神経の機能低下（交感神経過緊張）
- 頚部や肩周囲の筋膜癒着・滑走障害
- 心因性・ストレス関連の痛み
発症のメカニズム
頚肩腕症候群の背景には、以下のような要素が複雑に関与しています：
- 長時間の同一姿勢（デスクワーク・スマホ操作）
- 頚椎の変性（加齢による椎間板や関節の変化）
- 筋肉の持続的緊張 → 血流低下 → 疼痛物質の蓄積
- 神経根や腕神経叢の圧迫・牽引
- 姿勢の崩れによる負荷の分散不良
- ストレスによる交感神経の過活動
これらが重なることで、「痛み」「しびれ」「脱力」「冷感」「重だるさ」といった多様な症状が出現しやすくなります。
3. 一般的な治療法とその限界
病院で行われる対応
整形外科や内科での一般的な治療は、以下のような対症療法が中心となります：
| 主な症状 | 医療機関での対応 |
|---|---|
| 筋肉の緊張・痛み | 筋弛緩薬、湿布、鎮痛薬（NSAIDs） |
| 神経痛・しびれ | ビタミン剤（B12など）、神経保護薬 |
| 強い痛み・神経根症状 | ブロック注射、牽引療法、物理療法 |
| 精神的要因 | 抗不安薬、抗うつ薬の処方 |
| 重度のヘルニア | 手術（前方除圧固定術など） |
課題と限界
多くの方が経験されるのが、
「薬を飲んでも根本的に変わらない…」
という実感です。
実際、画像で異常がない＝原因がないとは限らず、姿勢や筋膜の滑走性、自律神経の乱れなど**“映らない異常”**が潜んでいることも多々あります。
また、電気治療やマッサージも、効果が一時的だったり、刺激が強すぎて悪化するケースも見られます。
いずれにせよ、痛みの原因を探っていかなければ、軽くほぐした程度では改善には至れないでしょう。
多くの痛みの原因“関節の機能障害”
～見逃されがちな「関節包内運動」～
「関節の痛み」では、一般的には
「軟骨がすり減ったから痛い」
「骨が変形したから痛い」
「関節に炎症があるから痛い」
と説明されます。
でも実は、これらの問題は“結果”に過ぎず、“原因”ではないことが多いのです。
その“原因”のひとつが、あまり知られていない【関節包内運動】のトラブルです。
■ 関節は「曲げる」「伸ばす」だけでは動いていない
たとえば肩を回したり、膝を曲げたりするとき、関節は大きく動いているように見えます。しかしその裏側では、骨と骨の接合部（関節）でごくわずかな“滑り”や“転がり”といったミリ単位の繊細な動きが起こっています。
この「滑り」「転がり」「回旋」などの動きをまとめて【関節包内運動】（関節内運動）と呼びます。
単純な曲げ伸ばしだけではなく、
正常な関節包内運動では『滑り』や
『転がり』によって関節面に
負担をかけない曲げ伸ばしができる
■ 関節包内運動がうまくいかないと、痛みが起こる
この関節包内運動がうまく働かなくなるとどうなるか？
- 骨と骨が正常にかみ合わなくなる
- 周囲の靭帯や筋肉に無理な力がかかる
- 関節の奥で炎症が起きやすくなる
- 動かそうとするたびに“引っかかり”や“つまり感”が出る
こうした状態を「関節機能障害」と呼び、膝で起きれば半月板損傷の、背骨（脊椎）で起きれば椎間板の変性や椎間板障害などの原因となってしまいます。
この関節機能障害は、我々医療従事者や教科書で学びます。しかし、実際の現場ではあまり注目されていません。それには、次の理由が挙げられます。
膝関節では軟骨面に圧迫が加わり、半月板損傷の原因となる
■ レントゲンやMRIでは“異常なし”でも痛い理由
関節包内運動に注目されない理由、それは、
- 関節包内運動の異常は、画像検査で写すことができない
- 関節包内運動の異常は、正確には“原因”の“原因”だから
ということです。
病院では、「病名」をつけるために画像検査などが行われます。しかし、関節包内運動はレントゲンやMRIに映ることはありません。だから、患者さんに非常に説明しづらいのです。
また、関節包内運動の異常は、正確には“原因”の“原因”であるため、説明されないことが多いのです。
どういうことかというと、
頸肩腕症候群の場合、頚椎〜肩や腕の部分で炎症や筋緊張が起きることで痛みが出現します。この場合、痛みの原因は頚椎周囲の筋肉の緊張です。
病名をつける際に必要なのはこの部分までで、炎症が起きた原因や滑走不全が生じている理由などは問題にされないのです。
つまり、
◯症状の原因である関節の不具合や炎症までを見るのが“レントゲンやMRI”などの画像検査
◎症状の原因である関節の不具合や炎症の原因である関節包内運動の異常を探すのが根治のための検査
の２つを探らなければお悩みの根治は難しいものの、関節包内運動を見逃されているがために症状の改善に至らないというパターンが非常に多いのです。
病院の役割は“正確に診断すること”です。
そのため、レントゲンやMRIなどの最先端医療機器を使用して、症状の原因である“あなたの今の状態”を教えてくれます。
しかし、もしあなたがこれまで受けた治療で改善していないのであれば、もう一つ、検査を先に進める必要があります。
“あなたの今の状態”になってしまった原因を探っていかなければいけません。
患部に負担をかけるもう一つの原因〜運動連鎖〜
〜運動連鎖の異常による二次的な痛み〜
痛みのある部位が、必ずしも“本当の原因”とは限りません。
たとえば膝が痛くても、問題の出発点は股関節や足首にある場合もあります。
このような現象の背景には、「運動連鎖（うんどうれんさ）」と呼ばれる身体全体の連動した仕組みが関係しています。
詳しくは別のページで紹介していますので、そちらをご覧ください。
● 運動連鎖とは？
運動連鎖とは、一つの関節や筋肉の動きが、他の部位にまで影響を与える現象のことを指します。
人間の身体は、足から頭まで「つながって」動いています。
たとえば、歩くときには股関節・膝・足首が連動して動き、片方の足が動けば骨盤や背骨も微細に動きます。
このような連携によってスムーズで自然な動作が可能になるのです。
● 運動連鎖が崩れるとどうなる？
ところが、どこかの動きが悪くなると、この運動のバランスが崩れてしまいます。
たとえば股関節が硬いと、それをかばうように膝や腰が必要以上に動こうとして負担が集中します。
このように、原因は他にあるのに、結果として負担が集まり「患部」となる場所に痛みが出るのが、運動連鎖の異常による痛みの特徴です。
● 痛みのある場所だけを治療しても良くならない理由
運動連鎖の異常が背景にある場合、痛みが出ている患部だけをマッサージしたり電気を当てたりしても、一時的にしか改善しないことが多くあります。
それは、根本原因が他の場所にあるためです。
いわば「火事場に水をかけても、出火元に火が残っていれば再燃する」のと同じです。
右（スマホでは下）の図を見てください。
これは普段、私がセミナー等で鍼灸師さんや整体師さんに教える時に使っている資料の一部です。
この図では、運動連鎖の不具合は何かしらの身体的不具合（原因）に当たります。
この運動連鎖の不具合を放置すると、患部に負担が溜まり始めます。
患部の負担を放置するとやがて痛みや自律神経症状など“症状”としてお身体の不調が顕在化、さらに放置すると病院の検査で画像上の問題が見つかる“結果＝あなたの今の状態”へとつながるのです。
● 正しい評価が根本治療への第一歩
そのため当院では、「なぜそこに痛みが出たのか？」「どこから連鎖が崩れているのか？」という点に重点を置いて検査を行います。
たとえ膝の痛みで来院された方でも、股関節や足首、場合によっては鎖骨の動きまでチェックするのは、全身の連動を見極め、根本原因を探るためです。
4. おるきの整体の統合医療的アプローチ
IRT療法による原因の特定
私たちは、独自の【IRT療法（Impingement Release Technique）】を通して、
- 関節や筋膜の「引っかかり（インピンジメント）」を特定・解除
- 神経の通り道や滑走性のチェック
- 自律神経系への負担評価と調整
を行います。
施術ステップの一例
- 問診・評価
→ 痛みの性質・動作での変化・生活背景を丁寧に確認 - IRT評価
→ 頚椎の可動性、胸郭出口、肩甲帯、腕神経叢の動き、姿勢の崩れなどを評価 - 施術①：局所調整
→ PNF、刺さない鍼、マッサージなどで筋肉・筋膜の滑走性を改善 - 施術②：自律神経調整
→ オステオパシー・頭蓋リリース・横隔膜調整などで副交感神経を優位に - 施術③：関節マニュピレーション
→ 肩甲胸郭関節・胸椎・上部頸椎の可動性改善 - セルフケア指導
→ 首・肩周りの使い方指導、姿勢習慣の見直し
5. よくあるご質問 Q&A
Q. どこに行っても「異常なし」と言われたのですが…？
→ 画像に映らない「筋膜の癒着」「神経の滑走障害」「自律神経のバランス失調」が関与している可能性があります。当院ではそれらを評価して施術します。
Q. 施術は痛いですか？
→ ほとんどの施術は非常にソフトで、安心して受けられます。過度なバキバキ矯正は行いません。
Q. 肩こりと何が違うんですか？
→ 肩こりは筋緊張が主体ですが、頚肩腕症候群は神経の関与や広範囲への症状（しびれ・脱力）が含まれるため、より複雑な病態です。
6. 施術の流れ・料金について
- 初回料金：9,900円（税込）
（問診・検査・施術：約60〜75分） - 2回目以降：4,290円〜7,700円（税込）
（施術内容・施術プランに応じて）
7. 患者様の声・症例
50代女性／事務職
「パソコン作業中に右腕のしびれが強くなり、整形外科では異常なし。こちらで首と肩甲骨の動きを整えてもらったら、その場でしびれが軽くなって驚きました！」
40代女性／パート勤務
「長年の肩こりだと思っていたら、実は神経の滑走障害が原因だったとのこと。丁寧に説明してくださり、毎回の施術で楽になるのが実感できます。」
8. まとめ：福岡市西区で頚肩腕症候群にお悩みの方へ
「ただの肩こりだと思っていた」その症状、放っておくと慢性化するかもしれません。
当院では、大学病院レベルの知識と臨床経験に基づく検査・施術で、**“その場での変化”と“根本改善”**を両立させます。
👉「福岡市西区 頚肩腕症候群 整体」でお探しの方へ。ぜひ一度、私たちにご相談ください。